マーシュ(ノヂシャ) その2
このサラダ用葉菜は地味な野菜ではありますが、栽培品種はかなりあるのです。
エタンプの緑のもの、ルーアンの緑のもの、丸いもの、黄金色のもの、種の大きなもの、葉のまんなかがくぼんで貝殻のようになるものと、いろいろあります。
マーシュ・ディタリー(イタリアのマーシュという意味)と呼ばれる、イタリアで栽培される近縁の野菜も忘れてはいけません。
人々はこの慎ましい野菜に、ドゥーセット doucette (かわいらしいもの)、ブールセット boursette (小さな財布)、ブランシェット blanchette (こぎれいなもの)など、愛称をたくさんつけました。
マーシュは長いあいだ農民しか食べなかったのですが、実はレタスよりもずっと栄養価が高いのです。
とくにプロピタミンAとビタミンB、Cの含有量が多いのです。
それにマーシュは簡単に露地栽培でき、冬の寒さに負けることもありません。
ピート、セロリと組み合わせると、粘りをおびた淡い風味がはっきりし、引き立ちます。
パリのある有名レストランがこのサラダを〈ヴィットリオ・エマヌエーレ・サラダ〉と名づけましたが、それはマーシュの緑とビートの赤とセロリの白がイタリア国旗の色だからです。
ヴィットリオ・エマヌエーレはむろん、サルデーニャおよびイタリアの歴代の国王の名です。