気になる歴史的なこと その7
ひろくマスに名を知られて大衆の憧れをそそりたてること。
品質の良さにくわえて、こうした有名性がなければブランドはブランドではない。
だからシャネルは、パリのデザイナーたちと対立しつつ、アメリカで慣習化していたデザインの盗用を黙認し、その巨大なマーケットを相手にして自己のブランドを築きあげたのです。
こうしてシャネル・スーツがアメリカ女性の憧れの的になってからほぼ30年後、同じブランド願望が今度は日本に上陸して来ました。
田中康夫のカタログ小説『なんとなく、クリスタル』がベストセラーになったのが1980年。
バブル経済にわいた80年代の大衆は記号消費ゲームに熱中しました。
DCブランド・ブームが巻き起こり、黒に身をつつんだカラス族が街にあふれ、ブランド熱が巷を席捲しました。
